

蛍光灯が危ない
<危険を報せるサイン>
現場のクレーンゲーム筺体の中で蛍光灯のこんな症状を目撃されたことはありませんか。
・ ランプがチラチラする。
・ ランプが薄暗い。
・ ランプの両端が黒ずんでいる。
・ ランプが点灯するまでに時間がかかる。
・ ランプが消えたまま点かない。
・ ランプを交換したけど点かない。
・ 安定器が変色している。
・ 安定器が発煙している。
これらは蛍光灯安定器の危険を表すサインです。
発煙しているなんて寿命末期の最悪状態ですが、ここに掲げた症状はみな目視できる危険サインです。
絶対見落としてはいけません。
この他にも手を触れることで分かるサインがあります。
たとえば蛍光灯の安定器は発熱する器具です。
正常に機能しているときは、僅かな時間なら手を当てていることは可能ですが、
これが一瞬でも触れられないような状態になれば、とても危ないサインになります。
また安定器の異常が絶縁不良と深い関係にある以上、アースのとれていない
板金筐体への簡易固定なら触れた途端に感電してしまいます。
以上のような事柄が視覚や触覚で感じ取れるサインということになります。
これらのサインが現れる理由として、 「蛍光灯器具の部材の一部あるいは全部が劣化している」可能性が挙げられます。
以下、蛍光灯器具内の部材リストです。
これらの部材の劣化が進むとリスクも増大することになります。
・ 蛍光灯ランブ(ランプソケットも含む)
・ グロー球(グローソケットも含む)
・ 安定器(リード線も含む)
メーカーや代理店の専門家に意見を聞いたところ、これらの部材のどれが劣化しても
すぐさま危険レベルに陥ることになるそうです。
安定器そのものが良好な状態にあったとしても、ランプやグロー球が劣化すれば、
その負担を安定器がもろにかぶり、劣化が急速に進むことになるからです。
以下、交換のタイミングに関するものです。
* 安定器が壊れたときにはランプやクロー球も必ず一緒に交換する。
* ランプが壊れたときにはグロー球を一緒に交換し、安定器も壊れていないかチェックする。
* グロー球が壊れたときには、ランプも一緒に交換して、安定器も壊れていないかチェックする。
※さきの危険サインを見つけたときには、器具一式全部を疑ってみることも大切です。
それでは、これらの部材の劣化がどういう具合に絡み合って、最悪の場合、発煙・発火状態に至るのか、
メーカーや営業マンから知り得た情報を基に説明いたします。
* 蛍光灯器具の部材の中で最も重要なものが器具の心臓部といわれる安定器です。
*各部材の中でも安定器の寿命が蛍光灯そのものの寿命を左右することになります。
* 安定器の寿命は主として安定器内の絶縁物、特にコイル部分に塗られている絶縁皮膜が劣化して、絶縁破壊(レヤーショート) を引き起こすことでもたらされるのです。
* つまり、器体内のコイルの絶縁性が保たれなくなって、レヤーショートによって過電流が発生するという
全く皮肉なシナリオをもって、安定器は命終するのです。
動物に限らず生き物が死ぬときは、穏やかにスーと活動を停止するものですが、
その点安定器はずっと穏やかに生きてきて、寿命末期時に大暴れしてしまうという厄介な特性を持っています。
暴れる時間がそれこそ一瞬であれば(過電流で瞬時に破裂するようにショートすれば)問題ないのですが、
寿命末期時が長引く(じわじわと軽めのショート状態が続く)とその発熱作用で周囲にまで被害を及ぼしたりします。
そして最悪の状態の時にはこれが火種となり、火災に繋がる可能性もあります。
通常、絶縁物の寿命は安定器を「標準条件」で使用した場合、8年から10年と考えられていますが、
この寿命末期に至るまでに磨耗故障期(やや危ない時期)と呼ばれる期間がしばらく(全寿命の4分の1ぐらい)あります。
大抵の異常は、磨耗故障期に出てくる<危険のサイン>によって取り除かれることが多いのですが、
その時期に交換されずに長らく放置された安定器が、危ない寿命末期を迎えることになり
最悪、重大な感電事故や火災を引き起こしたりするのです。
一般に8年から10年と言われる安定器の寿命の目安も、「標準条件」の下での使用に限定されるという制限を受ける以上
大した目安にもならないし、あまり意味もありません。
なぜかと言いますと、蛍光灯安定器が周囲の環境あるいは、周囲に配置された部材の影響を一切受けないで
寿命末期を迎えることはまずはありえないからです。
たとえ健全な安定器でも寿命を迎えるまでには、必然的に他のパーツの劣化の影響を受けてしまいます。
蛍光ランプが古くなると、本来の明るさを保たせるために、安定器が電気の供給量を大幅に増やそうとし
それを助けようとしてグロー球までもが高負担を強いられることになるのです。
こういう無理の行き過ぎ状態に気づかず見逃して放置してしまうと、安定器は目安の寿命を大きく下回り、一気に劣化してしまいます。
こういう安定器の不安定な寿命に嫌気がさした一流ブランドメーカーでは
その危険に対する取り組みとして、数年くらい前から温度ヒューズなどを使って、安全な安定器作りに着手しました。
しかし、まだ多くのメーカーが未対策の安定器を販売しています。
大手さんでも「未対策」「対策済」を購入者に選ばせているようなところもあるそうです。
「温度ヒューズ付き」安定器は自らの不調ばかりでなく、周囲環境や関連パーツの影響で不調になった場合
最悪の事態を防ぐために自らの命を絶つように作られています。
その際リセットは効きません。
もし内臓の温度ヒューズが切れた場合は他のパーツの消耗も疑って、安定器ばかりでなく
蛍光灯一式をセットで換えることが賢いでしょう。
この温度ヒューズ付き安定器は、目視検査では発見できないトラブル
すなわちサインの出にくい(見えにくい)劣化に対しても有効なところが実に頼りがいがあります。
機械の使用者、現場の管理者という立場の方々にとって、蛍光灯器具を管理することはおろそかにできない問題なのですが
将来蛍光灯メーカーがより安全な製品を作るための努力をするかというと、それはほとんど期待できません。
今、蛍光灯に代わる照明としてLEDが脚光を浴びてきています。
メーカーはその開発や販売に躍起になっていて、すでに斜陽化している蛍光灯に関わっている暇はないというところです。
蛍光灯の危険に対する踏み込んだ情報の提供は、メーカー(および販売)側からは得られないという現状の中でも
使用者側は危険を回避する努力は怠れません。
そういう意味では今後、危険サインに気を配る一方で
「安定器が寿命の半分を過ぎるまでは年に一回、半分を過ぎてからは年に三回、
磨耗故障期に入ったら月に一回点検を実施するとか、またそのとき良好な状態であったとしてもスッパリ廃棄処分にしてしまう。」
といった割り切りも必要という気持ちで安全対策を立てていかなければいけないと思います。
長時間読んでいただきありがとうございました。
お疲れ様でした。